ジャムセッション

ゆったり、のんびり参りましょう♪

琵琶の美

あるべきようわ。
こんばんは。
カウンセラー見習いのよこたにです。

雨の降るある日、奈良に行ってきた。
目指すは奈良国立博物館での特別展。
「よみがえる正倉院宝物
ー再現模造にみる天平の技ー」展である。
行きたくなった理由は
小学校の社会科での資料集で見ていた
正倉院の「螺鈿紫檀五弦琵琶
(らでんしたんのごげんびわ)」(の複製)を観るためである。

小さく写っている
琵琶の写真を見て
何か良くわからないけれど
綺麗なものだな。。。
一度見てみたいな。。。と思って
はや幾年。
一般人が正倉院の御物を見る事ができる
正倉院展」は奈良国立博物館にて
毎年、秋に開催されている。
しかし 会期が短めなのと
行楽シーズンでもあり
ものすごく混む。
また、お目当ての御物が
どの年に出展されるかは全くわからない。
その上に一度展示されると
次の出展は最低でも10年後らしいという事で
これまで現物を見る機会はなかったのである。

そして、今回の展覧会では
そのような古の美術品を
現代に再現したものが
集められているのである。
これは見に行かねば!である。

そして、到着。

琵琶があった。



復元された琵琶なので
ケースの周りから
ぐるりと見る事ができる。
このため今まで知らなかった裏や側面まで
目の当たりにした。

見目麗しいとはこの琵琶の事かと
思うほどに美しい。
華麗。
圧倒的。
言葉を尽くしても尽くしても
全く足りない。
見て、この美しさに打ちのめされてほしい。

裏面の螺鈿
側面に貼られた玳瑁(タイマイ=海亀の一種)。

そして、この再現の素晴らしいのは
復元した琵琶の音色が
会場で流れていたことである。
他の琵琶の音色は知らないし
調律によって音は変わるのだと思うが
骨太なマンドリンのような音に聞こえた。

こんなに美しくて
実際に演奏できる楽器が、本当にあるんだ
作れる人が居るんだと思うと感動する。

図録で改めて読み返すと
東京展の際には同じ琵琶の
明治に復元されたバージョンも
展示されていたようで
今回の復元物とも
また少し違う事がうかがえる。
美しい琵琶を後世に残すために
復元を成功させるために
色々な試行錯誤もあっただろう。
それが今ここに実っているのだなあと思うと
ただただ、胸打たれる。
もちろん、正倉院の御倉のなかで
長い年月守りぬかれた原宝物があったからこそ
今まで生きてきたからこそである。


あまりの美しさに
ケースの周りを3回周って眺める。
出口までたどり着いてから
もう一度逆流して
お別れの挨拶?にもう一周見る。


本当に、堪能しました。。。


ぜひともみなさま、コロナのこの時期に
お薦めしにくい気もするが
あの琵琶の美しさに
それこそノックアウトされてほしい。
他の復元物も、もちろんそれぞれ素晴らしい。
ひれ伏さなければいけないほどに
美しくて、気の遠くなるような
作業の細やかさや
技術の尊さを感じていただきたい。



《今日の一言》
正倉院の琵琶は素晴らしい。
・圧倒的なものの前には言葉は要らない。



今日と明日のあなたと私に乾杯。



お読み下さり、ありがとうございます。